アイトラッキングは投資に見合うか?小売のアイトラッキング調査で ROI を測る
競争が激しくなった小売の世界で競合の一歩先を行き、何が効果的で何がそうでないかを見極めるには、多くの調査手法と、データを見る新しい視点が必要です。
市場調査の分野で注目を集めている革新的な技術の一つが、3D アイトラッキングです。買い物客の視線と注意を捉え、モニタリングし、分析することで購買行動のインサイトを得て、最終的に売上の向上につなげるプロセスです。
アイトラッキングの導入を検討しているものの、コストや導入時の課題にまだ疑問をお持ちではありませんか。この記事では、3D アイトラッキングで買い物客のデータを取得する ROI について、また不要な投資を避けてコストを抑え、リスクをできるだけ小さくする方法についてご説明します。
この記事は、 より深いショッパーリサーチの手段としてアイトラッキング調査を取り入れるべきか、まだ迷っているブランド、小売企業、市場調査会社の皆さまに向けて、こうした課題を整理することを目的としています。
アイトラッキング調査が予算に見合う理由、自社がアイトラッキング調査を検討すべき理由とタイミング、そのコスト、そして得られる成果について、ぜひ最後までお読みください。
小売でアイトラッキングを活用する価値とは?
ROI について言えば、ショッパーインサイトは、投資からどれだけ利益を得たか、どれだけ早く回収できたかを示す単純な計算以上の価値をもたらします。
ほかの市場調査手法とは異なり、アイトラッキングは人の認識や欲求についてバイアスが少なく、ありのままのインサイトを提供します。
視線の向け方、目の動き、まばたきのくせの一つひとつが、製品に対する買い物客の潜在意識や本当の気持ちを物語ります。それは多くの場合、製品を初めて目にした瞬間に無意識のうちに表れます。
そのため、買い物客の注意データは、より深いインサイトと価値をもたらすことから、売上の分析以上に重要なものになっています。人が後から理由づけをする余地のない、純粋なデータだからです。だからこそ、ターゲットとなる消費者に向けて製品をつくり、販売するうえで大きな力を発揮します。
手を加えられていないデータだからこそ、注意データは市場調査の仮説を裏づけることも、否定することもできます。解釈やバイアスが入り込む余地はありません。投資した製品の変更や凝った棚の陳列に予算をかける価値があるかどうかが分かります。これこそが、データに基づく意思決定を支えるインサイトです。
しかし、これまで市場で広く推奨されてきた従来の手法では、価値ある注意データの収集は難しく、費用もかかります。多くのアイトラッキング技術では、被験者となる買い物客がヘッドギアや眼鏡を装着する必要があります。こうしたデバイスはかなり負担が大きく、自然な購買行動を妨げてしまいます。うれしいことに、選択肢はそれだけではなく、同じデータをより低コストで得ることができます。
アイトラッキングにかかる費用は?
イノベーションマネージャーや市場調査マネージャーにとって、予算は意思決定の際に常に重要な要素です。調査目的を達成するにはどれだけ投資すべきか?あるいはアイトラッキングシステムの許容できる価格と品質のバランスは? こうした質問はよくいただきますが、もっともな疑問です。
出発点として、市場にあるアイトラッキングソリューションを整理し、コストと品質を簡単に分析してみましょう。
アイトラッカーには、ローエンドからハイエンドまでのソリューションがあります。
価格の違いは、次の要素から生まれます。
- データの精度(目の動きを正確かつ安定して捉える能力)
- 使用するハードウェア
- 付属するソフトウェアやサポートなどのその他の要素
プロジェクトの種類、使用する業界、調査目的によってコストが異なるため、アイトラッキングシステムに決まった価格はありません。それでも、企業がアイトラッキング調査に投じる投資の種類をざっと把握したい場合の目安として、いくつかの価格帯を示すことはできます。
- ミドルレンジのアイトラッキングシステム:15,000~25,000ユーロ。 アイトラッキングをラボの外に持ち出し、商業目的や学術目的の多目的な調査を行うために使用されます
- ハイエンドのアイトラッキングシステム:25,000ユーロ以上。ニューロマーケティングなど、非常に高い正確度と精度、長期間の調査を必要とする業界で使用されます。
一般的なアイトラッキング(ヘッドギア型を含む)の費用は、15,000ユーロから50,000ユーロに及ぶことが少なくありません。Eyeware なら、同じデータをわずかなコストで提供できます。
ヘッドギアは装着の負担が大きいうえに、たいてい高価です。
Eyeware は、買い物客の行動をより深く理解し、小売戦略を改善したいあらゆる小売企業、調査会社、社内のイノベーション部門が、革新的なアイトラッキング調査を利用できるようにしています。私たちの使命は、費用対効果の検証に十分に応えられるアイトラッキングソリューションを提供することです。
そこで、革新的で信頼性が高く、手頃な価格の視線・注意モニタリング技術を求める企業のニーズに応えるのが、リモートアイトラッキングです。
アイトラッキング調査のコストを抑えるには
いち早く新しい技術を取り入れるイノベーターは先進技術にプレミアムを払うこともいといませんが、だからといって、高価な機材やコンサルタントの時間への投資を避けてリスクを抑えられないわけではありません。
当社の 3D アイトラッキング技術は、高額な装着型の機器を使わずに買い物客のデータを収集します。次のような条件で、同じデータを得ることができます。
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- 眼鏡は不要:正確でバイアスのないデータが得られる、負担のない調査手法です。一般的なアイトラッキングとは異なり、3D アイトラッキングでは最大1.3m(4.3フィート)離れた位置から視覚的注意をリモートで追跡できます。
- 買い物客に声をかけたり、邪魔をしたりする必要がない:データ収集は匿名で行われ、GDPR にも配慮しています。「覆面調査」のようにデバイスの装着を求めて買い物客をわずらわせることもありません。
- 高価な機材は不要 : 民生用の機材(200ユーロ未満のものもあります)でリモートアイトラッキングソフトウェアを使用できます。このハードウェアと、すでにオフィスにあるであろう PC/プロセッサーがあれば、すぐに始められます。
- コンサルタントは不要:調査期間中ずっとコンサルタントに費用を払ってサポートしてもらう必要はありません。
つまり、高価な機器やセンサーが不要なので、予算のリスクもありません。このアイトラッキング調査の方法なら、機材やサポートにかかる初期リスクを抑えられます。
数か月にわたる長期の調査でも、現場にコンサルタントを置いたり、使いやすいソフトウェアライセンス以外に投資したりする必要はありません。
棚にカメラを取り付けるだけで、初日から買い物客のデータを収集し始められます。必要な投資は、安価なハードウェアとソフトウェアライセンスだけです。
私たちは調査会社、小売企業、ブランドマネージャーの声に耳を傾け、その苦労や課題を理解したうえで、低コストの機材で動作し、長期間にわたってデータを収集できる、持続可能なアイトラッキングソリューションを開発しました。
必要なのは、GDPR に配慮した匿名の方法で何千人もの顧客を追跡できる深度センサーカメラ(ハードウェア)と、店舗や AOI(関心領域:通路、棚の陳列、製品など)をマッピングするためのソフトウェア GazeSense だけです。
棚や売り場に目立たないセンサーを設置することで、買い物客の注意データをリアルタイムで提供したり、後で分析するために保存したりできます。
アイトラッキングの ROI をどう見積もるか?
誠実な調査であれば当然ですが、特定の結果、とりわけ金額面での成果を保証できる調査はありません。
とはいえ、アイトラッキング調査からはインサイトが得られます。「パフォーマンスが変化した」「変化しなかった」という結果は、今後の投資や変更に影響を与えます。
それでも、アイトラッキングの ROI を見積もることは不可能ではありません。たとえば、製品に対する買い物客の注意が10%増えれば、その製品を検討する買い物客が10%増え、最終的に売上が10%増えることにつながります。これは、調査とイノベーションを収益に結びつける分かりやすい方法です。
注意を最適化することが売上の増加にどうつながるのかが、すぐに見えてきます。
3D アイトラッキング調査は、マーケティング、パッケージ、棚のパフォーマンスについて確かなインサイトと明確な見通しをもたらします。
3D アイトラッキングによる小売調査を行った後、明確な成果はあるのでしょうか?答えは簡単です。間違いなく「イエス」です。
ただし、それを測るのはかなり難しいことです。
まず、投資利益率(ROI)は、MR(市場調査)においてそれ自体が収益を生むわけではないパフォーマンス指標です。これは、MR がもたらす価値を数値化するのが難しいためです。それでも、棚でのリモートアイトラッキングがなければ得られなかった客観的で定量化可能なデータによって、小売や販売に関するより良いインサイトが得られます。
どのようなショッパーインサイトが得られるのか?
注視、視線ポイント、再訪、その他の目の動きを分析することで、買い物客の購買行動についてのインサイトが得られ、次のことが分かります。
- 陳列やプロモーションの効果
- 買い物客のうち、実際に購入する人の数
- 買い物客が選ぶのに最も時間をかける場所
- 競合と比べて、自社がどの程度優先されているか
- 購入者が「している」と言うことと、実際にしていることの違い
- 新しいパッケージが十分に目立ち、魅力的かどうか
この記事の冒頭で、一歩先を行くことの重要性についてお話ししました。
小売であれそれ以外であれ、どんな分野でもイノベーションは欠かせません。新しい技術的ソリューションを模索しなければ、進化することも、競合のペースについていくこともできません。
テクノロジーが主導する今日の商業の舞台では、イノベーションによって小売戦略が「良い」から「優れた」ものへと変わります。成熟した企業も、成長中の企業も、急成長する新興企業も、その多くが実験とイノベーションのための予算を確保しています。
データに基づいて何が効果的で何がそうでないかを知ることは、確かな ROI です。
しかし、正確で実用的なデータを提供できるイノベーションは、数ある実験的な予算の一つにとどまるものではありません。この技術は時間をかけてその価値を示し、多くの企業の年間マーケティング予算に確かな位置を占めるようになりました。
私たちは、すべては消費者の本当の欲求を知り、その「なぜ」を明らかにすることから始まるということを理解し始めています。つまり、ターゲットと、本人さえ十分に自覚していない生の本能です。消費者が本当に望んでいるものを知るには、その人と、その人の行動や購買決定のしかたをより深く理解する必要があります。
購入者が購買決定を下す現場に足を運び、できるだけ多くのデータを引き出すことで、より根拠に基づき、パーソナライズされ、「花開く」小売戦略の土台を築くことができます。
3D アイトラッキング調査の後に取るべき具体的なマーケティング施策とは?
小売データは欠かせないものであり、今それが手元にあります。では、どのように活用すればよいのでしょうか?データを収集・分析した後、具体的に何を変えられるのでしょうか?
マーケティング、販売、マーチャンダイジングの戦略を改善する方法としては、次のような施策があります。
- 買い物客の期待に応えるよう、棚や陳列を整理する
- 主要製品をより目立たせる
- 店内のサイネージを改善する
- ターゲットを絞ったオファーを設計する
- パッケージデザインの効果を評価する:コンセプトからプロトタイプ、最終的な仕上がりまでデザインをテストし、パッケージの改良と改善のプロセスを支援します
- 効果的な広告キャンペーンをつくる:グローバル展開の前に、さまざまなレイアウトやメッセージで地域ごとに A/B テストを行い、どれが効果的かを確認します
3D アイトラッキング調査の結果事例
小売企業、マーケティングマネージャー、市場調査会社の皆さまに 3D アイトラッキングの活用法をイメージしていただけるよう、公開されている小売調査プロジェクトをいくつかご紹介します。
ある小売企業は、Tesco のスーパーマーケットでケチャップのカテゴリーを選ぶ消費者の一般的な購買行動を、アイトラッキングで調査しました。
この調査は、店内のケチャップ製品のパッケージデザインと棚の配置を最適化することを目的としていました。アイトラッキングにより、消費者の注意のパターンと、認識された情報、見過ごされた情報が正確に明らかになりました。
別の調査では、頻繁に購入される食品カテゴリー、つまり多くの人が毎週または隔週で利用する食料品の通路での購買行動に注目しました。
まとめ:3D アイトラッキングはショッパーリサーチに投資する価値があるか?
ターゲットのありのままの心理にアクセスできることは、ビジネスにとって大きな財産です。ショッパーインサイトは、お金と同じくらい価値があります。
3D アイトラッキングは、小売、棚、マーチャンダイジング、製品、パッケージ、広告の各戦略において、エビデンスに基づく意思決定の基盤となるものです。すでに「あれば便利」という段階を超え、十分に投資する価値があり成果につながる調査手法として、世界中の有力企業の間で急速かつ着実に広がっています。